スペシャルインタビュー：今田美桜さん -

2025年度前期連続テレビ小説
「あんぱん」主人公朝田のぶ役

今田美桜

2025年3月31日から始まる連続テレビ小説『あんぱん』。
香美市出身のやなせたかしさんと妻・暢さんをモデルに、戦前から戦後の激動の時代を力強く生き抜く夫婦の姿を描いた物語です。主人公・朝田のぶを演じる今田美桜さんに、やなせ先生への思いや、高知県の印象についてお聞きしました。

やなせさんの、ただの「優しい」じゃ足りないその優しさ。
愛ある優しさが大好きです。

ロケ等で高知に来られた際の思い出などについて教えてください。

高知県庁さん、香美市役所さん、南国市役所さんにおじゃました時に、あたたかく迎えていただいて、期待していただいていることを感じましたし、もうすでに一緒に作り上げてもらっているんだなという安心感がありました。あとはカツオが本当においしくて、毎日のようにいただいていました（笑）。お土産もたくさんいただいて、中でも特にポン酢に感動しました。自宅でも鰹ダシが入ったポン酢でお鍋をしながら、日々高知を感じていました。
やなせたかしさんは、漫画家、詩人、デザイナーなど、マルチクリエイターとして知られていますが、今田さんから見たやなせさんの印象を教えてください。

プラスな感情もマイナスな感情も全部愛して肯定してくれて、とても人間らしい方だと感じます。やなせさんの作品には、すごく悲しいお話もあったりするじゃないですか。その中にも優しさとかがあって、「そっか、自分はこのままでいいのか。自分を愛してあげていいんだ」と思わせてくれたり、背中を押してくれたりする作品があって、すごく安心しますね。なんか…「優しい」の最上級の言葉ってないんですかね？ずっと考えているんですけど…。もう、ただの「優しい」じゃ足りないその優しさ！愛ある優しさが大好きですね。
今田さんが演じる主人公のモデルとなった小松暢さんは、“はちきん”（土佐弁で「男まさりの女性」の意味）だったと言われていますが、ご自身のはちきんな部分や、暢さんに似ているなと思う部分はありますか？

私も小さい時から活発な方で、そういう部分は近いのかなと思います。あと、のぶには、下に河合優実さん演じる蘭子と、原菜乃華さん演じるメイコがいて、3人姉妹の長女なんです。私も3人きょうだいの長女なので、お姉ちゃんだからこそわかる部分があって…そこは共感しながら演じています。
「あんぱん」の「ここに注目してもらいたい！」というところはどこですか？

どのシーンも素晴らしくて、選ぶのがすごく難しいんですけど…。明るいシーンはとっても明るいんですけど、逆にそうじゃないシーンもたくさんあります。暢さんとたかしさんが経験した苦しさとか大変さとか、そういう部分もしっかり描かれていて、それがあるからこそ、明るいところはすごく輝いて見えますし、人間誰しも持っている部分もていねいに描かれています。そこが見どころの一つですね。
高知のみなさんに向けてメッセージをお願いします。

今田美桜（いまだみお）
1997年福岡県生まれ。2015年俳優デビュー。
テレビドラマ、CM・映画など多方面で活躍中。

撮影：須田卓馬（グラビア）
ヘアメイク：渡嘉敷愛子
スタイリング：松居瑠里

高知でクランクインして、暢さんとたかしさんが見ていたものや、歩いた道を実際に見たり、やなせさんが描かれたキャラクターに高知愛を感じたりもできました。高知のみなさんの熱量をそのまま東京に持ち帰って、のぶを演じられていると思います。明るいだけじゃなく、悲しいこともたくさん描かれていて、演じながら胸が苦しくなる瞬間もあります。そういう部分もすべて、みんなで熱量を持って撮影しているので、受け取ってもらえたらうれしいです。